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第1回 タキシード 〜歴史編〜

単に服を着るのではなく、知識を備えることにより、ますます愉しくなるのがフォーマルウェア。
第1回はフォーマルウェアの基本となる“タキシードの歴史編”をご紹介します。

タキシード編

タキシードの発祥について、異なる2つのエピソード。そこには、どちらも燕尾服の裾を切り落とし、ジャケット・レングスに仕立てたという共通点があります。燕尾服を原型とし、様々な歴史的背景の中、変遷を遂げるタキシード。本当に奥が深いものです。これを読めばタキシードに対する意識が変わるかも?!

【その1】ヨーロッパで誕生したタキシード

■ラ・スモーキング〜くつろぎのウェア〜

1870年代の初め、ヨーロッパにはスモーキング・ジャケットと呼ばれるウェアが流行しました。これは、燕尾服の裾をカットしたジャケットで、襟は幅広のショール・カラー、袖口は折り返しのデザインで、共にキルティングの拝絹を施したものです。

本来、このジャケットは英国の紳士が部屋の中で煙草を吸い、くつろぐ時に着るウェアとして作られました。やがて、高級賭博場において、上流階級の人々の間でも着られるようになり、「ラ・スモーキング(喫煙服)」と言う名で親しまれ、認知されるようになっていきます。

■カウズ・ジャケットへの発展

当時の英国皇太子、エドワード7世は「ラ・スモーキング」をいたく気に入り、イギリス南部の高級リゾート地、ワイド島カウズにも持ち込みました。島の名にちなみ、「カウズ・ジャケット」とも言われ、ついには、夜間の準礼服(現在では正礼服)として、公認されるようになりました。「カウズ・ジャケット」は、燕尾服よりも堅苦しくなく、気軽に着られる事から、リゾート地でのディナーウェアとして、一世を風靡しました。

【その2】アメリカで誕生したタキシード

1886年10月10日、アメリカ・ニューヨーク州のオレンジ・カウンティにある「タキシード・パーク」で、第1回「タキシード・クラブ」が開催されました。「タキシード・クラブ」とは、アメリカのタバコ王であるピエール・ロリラード4世が主催する、上流階級の社交会のこと。

第1回開催の際、息子のグリズウォールド・ロリラード氏は、燕尾服の裾をバッサリと切り落とした真紅のジャケットに、側章付きの黒いパンツを合わせた姿で現れました。大胆に裾口をカットした斬新な姿が話題となり、1890年代ニューヨークを中心に流行しました。

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タキシードの名称の由来

『タキシードの発祥にまつわる2つのエピソード』で紹介したように、タキシードが誕生するまでの 経緯そして、呼称も様々でした。では、現在の呼称である“タキシード”になったのは、いつの時代でしょうか?

“タキシード”と言う呼称は、タキシードの原型が流行したアメリカのタキシード・パークにちなんだものと言われています。(タキシードの発祥にまつわる2つのエピソードその二を参照)
“タキシード”の名は、アルゴンキン・インディアン族の言葉「タクシット(Tuxsit)」から派生した言葉です。これは、「丸い足を持つ動物」すなわち、狼や熊を指します。
ニューヨーク市から40マイル離れた自然豊かなタキシードパークは、狼や熊の生息地であったのではないかと考えられています。



地域による異なる襟のデザイン

タキシードには、「ショール・カラー(へちま襟)写真左」と「ピークド・ラペル(剣襟)写真右」の2つのデザインがあり、地域によりタイプが分かれます。
アメリカでは「ショール・カラー」が多く着られています。

一方、イギリスやヨーロッパでは、公式の燕尾服に準ずるウェアとしてタキシードが着られていました。なぜならば、本来、タキシードは燕尾服を原型としているため、燕尾服の「ピークド・ラペル」にならっているからです。

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タキシードはスーツ感覚で・・・
「タキシードって堅苦しい、着こなしが難しそう…」などと思っている方はいらっしゃいませんか?
「特別の場所のための特別な服」と思い込んでしまっていませんか?

大丈夫、「1つ釦のピークド・ラペルのスーツを着ているだけ」と考えれば、気軽に着こなせるはずです。つまり、ブラックスーツのラペルに拝絹、ズボンに側章が付いただけと考えればよいのです。
“特殊な服”という意識を捨てれば、気張らず自然にタキシードを着こなせるのではないでしょうか。

インナーのコーディネイトも同じ。オーソドオックスなチョウタイ・カマーバンドのコーディネイトだけでなく、手結びアスコットタイやツイリータイなどで、カジュアル感覚に着こなしを楽しみたいですね。

タキシード姿で夜の街中を歩いていても、着ている本人も意識せず、周囲にも自然に溶け込める環境が来る日も間近です。皆さん、新しいスーツを気軽に購入する感覚でタキシード1着新調してみてはいかがですか?着てみると意外と楽しいですよ。
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第2回 タキシード 〜小物編(蝶ネクタイ・カマーバンド)〜

単に服を着るのではなく、知識を備えることにより、ますます愉しくなるのがフォーマルウェア。

タキシードをはじめ、フォーマルウェアは、合わせる小物のひとつひとつが三位一体となり、初めて素敵に着こなす事ができます。小物にはそれぞれ意味があります。由来や背景を知ることにより、フォーマルウェアを楽しみながらスムーズに着こなす事ができるのではないでしょうか?

今回は“タキシードの小物”編。黒の蝶ネクタイとカマーバンドを合わせるのがタキシードの基本スタイルです。この2つのアイテムの由来や種類をご紹介します。

蝶ネクタイ

■ 蝶ネクタイは乗馬から生まれた

1860 年代、蝶ネクタイは乗馬をする際のネクタイとして使用されていました。元々はストックタイ(帯 状の幅広のネクタイ)でしたが、それを蝶結びにしたのが蝶ネクタイの発祥と言われており、蝶結びの結び目の部分のみが独立して、現在の蝶ネクタイの形に変化していきました。現在では、フォーマルウェアには欠かせないアイテムの1つとなっています。

パーティの招待状に「ブラックタイでお越し下さい」とあれば、タキシードを、「ホワイトタイ」とあれば、燕尾服を着ることを指し、フォーマルウェアの暗黙のルールも生まれました。

■ 蝶ネクタイのスタイル

主な2種類の蝶タイをご紹介します。パーティの雰囲気や気分に合わせて選びましょう!

【ポインテッド】
結びの輪の部分が剣先のように尖ったタイ。アメリカで多く見られるスタイルです。

【スクエアエンド】
結びの輪の部分が四角になったタイ。幅が2〜3cmと狭いのも特長です。イギリスで多く見られます。

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カマーバンド

■ カマーバンドの発祥はキャラバン

カマーバンドの原形は、ラクダに乗り砂漠を渡る商人達(キャラバン)が腰に巻いた帯状の布だと言われています。当時、商人達は腰に巻いた布の中に財産を入れていました。この布はウルドゥー語で「腰」を意味する「kammer」と呼ばれ、やがてシルクロードを渡り、中近東〜東欧諸国の民族衣装となっていきました。

■ カマーバンドはインドの暑さで生まれた

19世紀の後半、タキシードの中にベストを着るスタイルが主流でした。しかし、当時イギリス領だったインドに駐留中のイギリス将校たちは、年間を通して暑いインドの気候に耐えかね、インド人が使用していた幅の広い帯をベストの代わりに着用しました。
これがカマーバンドの発祥と言われています。そして、現在の「Cummerbund」として定着していきました。

■ カマーバンドはチケット、コイン入れだった

カマーバンドを着ける時は、ひだが上を向くように巻くのが正式です。なぜならば、元々カマーバンドは貴重品を入れるために誕生したものであり、「Cummerbund」として定着した後も、ひだをポケット代わりにし、オペラに行く時にチケットを入れたり、カジノで遊ぶ時にチップやコインを入れる習慣があったからだそうです。

現在では、ものを入れたりする機能性よりも、装飾的なデザインとして扱われるようになりました。

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第3回 タキシード 〜小物編(シャツ・カフス&スタッズボタン・サスペンダー・オペラパンプ)〜

単に服を着るのではなく、知識を備えることにより、ますます愉しくなるのがフォーマルウェア。

タキシードをはじめ、フォーマルウェアは、合わせる小物のひとつひとつが三位一体となり、初めて素敵に着こなす事ができます。小物にはそれぞれ意味があります。由来や背景を知ることにより、フォーマルウェアを楽しみながらスムーズに着こなす事ができるのではないでしょうか?

第3回目も“タキシードの小物”編です。
前回に引続き、タキシード用のシャツ、アクセサリー類、靴等の種類と特徴をご紹介します。これまで連載してきたタキシード豆知識をお読み頂ければ、自信を持ってタキシードを着こなして頂けるでしょう!

タキシード用シャツ

タキシード用のシャツには、大きく分けて2種類があります。「ウィングカラーのプリーツシャツ」と「レギュラーカラーのプリーツシャツ」です。

「ウィングカラー」はショールカラーのタキシードによく合います。一方、「レギュラーカラー」はピークドカラーのタキシードとの相性が抜群です。どちらも正式なフォーマルスタイルですので、お好みでお選び頂ければと思います。

【ウィングカラーのプリーツシャツ】 【レギュラーカラーのプリーツシャツ】
ショールカラーのタキシード ピークドカラーのタキシード

ただし、シャツを選ぶ際には次のようなルールがあることを忘れてはいけません。

【デザインについて】
1. 胸にヒダ(プリーツ)が付いていること
2. 袖口はダブルカフスになっていること
3. 胸の留めボタンの3つ〜4つがスタッズボタンを取りつけられる仕様になっているものであること(この仕様でなければ、ボタンが隠れる比翼タイプでもOKです)
ウィングカラーのプリーツシャツ。スタッズボタンで前身ごろを飾ります

【素材について】
平織りの白いブロードクロス(※1)素材で、糸の太さは100番手の双糸(※2)または、50番手の単糸(※3)がおすすめです。糸の番手が大きい数字程、細い糸となり、シルクのような光沢が生まれますが、細い糸はデリケートですので、お取扱いにお気をつけ下さい。
(※1)ブロード…  表面がサラリとした平織りで、ドレスシャツの代表的な生地です。80番手以上は
                      高級品とされています。
(※2)単糸…  1本の糸(単糸)を撚り合わせた糸
(※3)双糸…  2本の糸(双糸)を撚り合わせた糸

※番手…糸の太さの単位。一定重量の糸で、どのくらいの長さになるかでその値が決まります。細い糸ほど、数字が大きくなります。
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スタッズ&カフスボタン

タキシードシャツには、スタッズボタン・カフスボタンを付けるのが正式です。スタッズボタンはシャツの前身ごろの留め具に、カフスボタンは袖口の留め具として使用します。

この章では、スタッズ&カフスボタンの素材やデザインをご紹 介します。

■ タキシード用のスタッズ&カフスボタンの素材

【素材について】
1.オニキス 「オニキス(石灰岩)」は、別名:「瑪瑙(めのう)」、「黒曜石」とも呼ばれ、鍾乳石等にみられる石の一種です。原石は縞模様が多いのですが、その中の黒い部分のみを厳選し、切り出される貴重な石です。夜の艶やかな装いにピッタリの宝石です。
2.黒蝶貝 「黒蝶貝」は、黒真珠の母貝自体を、薄く平面に磨き上げることによって、オニキスの黒とは違った独特のグラデーションがでるのが特長です。上品な輝きがタキシードを引き立てます。

■ 台座の素材とデザイン

カフスボタンとスタッズボタン両者の台座(宝石を支える部分)は、丸型や四角型等があります。
また、主に3つの素材があります。どれも正式ですので、お好みでお選び下さい。

【台座の素材】
1.洋銀(ようぎん) 銅とニッケルと亜鉛の合金。銀白色をしています。食器や装飾品に使用されます。
2.真ちゅう(しんちゅう) 銅と亜鉛の合金。金物にも多く使用されます。
3.純銀(じゅんぎん) 銀の含有量が92.5%以上の純粋な銀。スターリングシルバーとも呼ば れます。

それらの台座の錆止めには2つの種類があります。台座の色はシルバー、ゴールドのどちらも正式です。お好みでお選び下さい。

【台座の錆止めの種類】
1.ロジウムメッキ 白色の美しい金属。プラチナや金よりも耐久性があり、酸化による黒ずみを防止するメッキです。
2.金メッキ 酸化防止用のメッキ。そのため、“14金”などと言った表現はできません。金の蒸着時間を長く取ると14金、18金といった商品になります。
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サスペンダー

フォーマルウェアでは、基本的に通常のベルトは使用せず、サスペンダーを使用します。なぜならば、サスペンダーはウエスト回りをすっきりさせ、パンツのラインを美しく見せることができるからです。

第2回でご紹介したように、タキシードではウェストにカマーバンドを着けます。通常のベルトだと、ボコボコとカマーバンドの表地に響いてしまいます。

タキシードの際には黒、モーニングコートは白黒のストライプ、燕尾服は白のサスペンダーをするのがルールです。ネクタイと同様の色柄と覚えるとよいでしょう。

【タキシード】 【モーニングコート】 【燕尾服】
黒のサスペンダー 白黒のストライプ 白のサスペンダー

サスペンダーには、「クリップ留め」と「トンボ(革ひものボタン留め)」の2タイプがあります。どちらも正式ですが、「トンボ」を使用するとよりクラシカルな雰囲気に仕上がります。

黒だけではなく、カラーのカマーバンドに合わせて、カラフルなサスペンダーをコーディネイトするのも素敵です。ただし、あまり華美にならないよう…。パートナーの女性の美しさを引き立てられるよう、さりげない着こなしを心がけましょう。

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オペラパンプス

足元にはオペラパンプスを合わせます。オペラパンプスは、元々オペラや舞踏会の際に履く靴でした。靴墨を塗らなくても光沢を保てるエナメル革を使用しているため、パートナーの女性の大切なドレスやシューズを靴墨で汚さずにすむということから考案されました。

靴下は黒色。上質で薄手の絹もしくは、綿のものを着用して下さい。白のスポーツソックスでは百年の恋も冷めてしまいます!

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ポケットチーフ

最後のおしゃれはポケットチーフです。素材は絹がよいでしょう。白やグレーが一般的ですが、バラを
イメージした赤も素敵です。

チーフの入れ方もいろいろありますので、鏡の前で練習してみましょう!同じチーフでも入れ方によっては着こなし全体の表情がガラリと変わりますよ。

【アイビー・フォールド】 【クラッシュド・スタイル】 【ティービー・フォールド】
ふっくらさせ、丸くたたみます。 チーフのへりを上にして、無造作に入れたスタイル。 四角に折ったものを入れたシンプルなスタイル。

タキシードには、アイビー・フォールド(パフドとも言う)やクラッシュド・スタイルがよく合います。クラ シカルなティービー・フォールドも人気です。


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